イントロ
2026年7月22日、ついにSamsung製折りたたみスマホの最新機種「Galaxy Z Fold8」シリーズが発表されましたね。
発表から少し時間が経ち、気持ちも落ち着いてきたところで、Galaxy Z Fold2からZ Fold6まで、毎年買い替えて愛用してきた私なりの率直な感想をまとめたいと思います。
今回は、折りたたんだ状態が従来のバータイプになるモデル(Ultra)に加え、新たにパスポートタイプのモデル(無印のFold8)が加わりました。今後、折りたたみiPhoneも同様の形状で登場すると噂されており、このパスポートタイプには熱い注目が集まっていますよね。
昨年、Galaxy Z Fold7が出た際、それ以前のモデルから多くの変更(個人的には改悪だと思っていますが)が加えられたことにゴチャゴチャと言っていた私ですが、今回のGalaxy Z Fold8シリーズに対しても色々と言いたいことがあるので、遠慮なく噛みついていきます。
この記事はそんな辛口な内容になっていますので、「Galaxy Z Fold8シリーズを全肯定したい!」という好意的な方は、今すぐブラウザの「戻る」ボタンを押していただくことをおすすめします。その方がお互いのためかもしれません。
本記事は、こちらの記事を再編集したもので、同一の筆者によるものです。
私の折りたたみスマホへの向き合い方・スタンス
さて、Galaxy Z Fold8シリーズにゴチャゴチャ言う前に、まずは私の「折りたたみスマホを使う理由」と、評価の前提となるスタンスをまとめておきます。
【前提】私が折りたたみスマホに求めるもの
それはズバリ、「折りたたんで持ち運べるタブレット」です。
しかしどうやら、多くのユーザーは「普段はスマホとして使い、時々開いて大きな画面を楽しむ」というスタイルを求めているみたいですね。Galaxy Z Fold7以降のモデルや、中華メーカーの折りたたみスマホを見ていると、特にそう感じます。
ではなぜ、私は「折りたたんで持ち運べるタブレット」を求めているのか。それは、1日の中でタブレットを使う時間が圧倒的に多いからです。
在宅勤務が多いこともあり、家の中でタブレットを扱うことは全く苦ではありません。コンテンツは大きく楽しめるに越したことはなく、動画も電子書籍も大きく表示され、ブラウジング時の表示領域も段違いです。
また、外出時にデバイスを持ち運ぶ際、タブレットは嵩張りますし、通常のスマホだと作業領域が狭い場面があります。そんな時、折りたたみスマホは「タブレットよりコンパクトで、開けばスマホより作業領域が広い」という絶妙な立ち位置になります。
長年の折りたたみスマホライフを振り返ってみても、私自身メインディスプレイ(開いた状態)を使う時間が圧倒的に多いことを自覚しています。
これを踏まえると、私の結論としては「折りたたんで持ち運べるタブレット」こそが、折りたたみスマホに求める用途であり、使う最大の理由です。
前モデルのGalaxy Z Fold7は、メインディスプレイがタブレットらしい縦横比を失って正方形に近くなり、個人的には醜い見た目になってしまいました。その分、閉じた時の横幅が広がり、片手操作派の私にとっては操作性が悪化。さらにコンテンツ視聴の邪魔になるパンチホールが採用されるなど、改悪要素が多すぎると感じていました。
そのため、縦横比にメリハリのあるパスポート型の「Galaxy Z Fold8」には、噂の段階からとても期待していました。
これらを前提として、以降のレビューをご覧ください。
最終的に「Galaxy Z Fold8 Ultra」を予約!
いきなり結論から言いますが、最終的に私は「Galaxy Z Fold8 Ultra」をSamsungオンラインショップで予約しました。
ストレージ容量は256GBモデルです。カラーは緑系が好きなので「グリーンシャドウ」を選択しました。スマホでこれほど濃くて深いグリーンのカラーはなかなか採用されないですからね。この魅力的なカラーもプラス要素となり、Ultraへの決断を後押ししてくれました。
無印(Fold8)とUltra、どちらにするか?
今回はFold8とFold8 Ultraのどちらにするか、非常に悩みました。
Z Fold7の仕様が気に入らず、画面下カメラ(UDC)やタブレットのような縦横差のあるメインディスプレイを残した最後の砦として、私はZ Fold6を継続して使っていました。しかし、そろそろ2年が経ち古くなってきたため、「さすがに今回の8のタイミングで買い替えよう」と考えての検討でした。
(※なぜ私がタブレットのような縦横の差にこだわるのか補足します。動画視聴時に上下に太い黒帯が出ると没入感が下がるように、正方形のディスプレイも視覚的な没入感が下がると個人的には考えています。縦横の差があれば、それがいくらか和らぎます。極端な話ですが、Fold8とUltraの開いた状態を見比べていただければ、少しはわかってもらえるかと思います。)
しかし、Fold8もFold8 Ultraも、どちらもなかなか妥協できない要素がいくつもありました。まずは、それぞれの「気に入らない点」をまとめます。
Fold8の許容できない部分
- 開く時、110°くらいを超えたあたりからの強い引っ張り感(反発感?)
- 開ききる時、しっかり押さえないと手に「カチンッ」と響くほどの衝撃
- Flexモードの廃止
- 動画視聴体験を最悪にする、開いた時の「左に偏るスピーカー」
Fold8 Ultraの許容できない部分
- 個人的に醜いと感じる正方形のメインディスプレイ
- コンテンツ視聴の邪魔になるパンチホールカメラ
- 閉じた時の横幅の広さ
- 本体の薄さ(ホールド感の低下)
ざっと挙げるとこんなところでしょうか。Galaxy Harajukuでそれぞれの実機を触ってきましたが、前述のような許容できない部分が見つかり、すぐには決断できませんでした。
パスポート形状のFold8は、思ったほど悪くありません。確かに横幅はありますが、縦が短いことがむしろメリットに感じます。従来の縦長タイプ(Ultra)は、カメラユニットが意外と重いため、手に持っていると重心が奥に倒れるように感じることが結構ありました。Fold8にはそれがないため、横幅があっても手にしっかり収まり、片手操作も苦ではありません。
また、どちらのモデルもZ Fold6以前と比べると、確かに開きやすくなっています(私はしっかり保持して開く派なので、Fold7のヒンジもそこまで悪くないとは思っていましたが)。
しかし、Fold8を開いてみた時の「フィードバック」がとても気になりました。90°くらいまでは開きやすさを感じますが、110°くらいを超えたあたりから、かなりのバネ感・反発感があります。さらに、意識して最後まで押さえていないと、バネの勢いで手に響くくらいの「カチンッ」という衝撃が伝わります。これが地味に気が散る要素だと感じました。
また、私はFlexモードをとても愛用していました。家や出先での休憩時、手持ちで動画を見るのが疲れる時に、スタンドなしで安定して置けるので非常に便利だったんです。Fold8はFlexモードに未対応で、代替策としてテントモードでの動画視聴が推奨されていますが、快適な視聴を謳いながらも、サブディスプレイ側のパンチホールが邪魔をしてしまいます。
そして、Fold8で一番許容できなかったのが、開いた時に「左側に偏るスピーカー配置」です。
初代Pixel Foldもパスポートスタイルでしたが、開いた時にスピーカーが左右のブロックの上下に分かれる配置で、個人的には音の鳴り方に違和感を覚えました。しかし、Fold8のように「完全に左側に偏る」ならなおさらです。
Galaxy Harajukuのガヤガヤとした店内でも、明らかに左側から音が鳴っているのがハッキリわかりました。試しに「スパイダーマン ブランニューデイ」の予告動画を視聴してみましたが、セリフは明らかに左寄り、BGMも左寄り、効果音でギリギリ真ん中かな?という印象でした。Galaxyスマホは「Dolby Atmos」に対応していますが、オンにしても音の偏りにはほとんど変化がありませんでした。ソフトウェア制御で少しは補正されるかと期待したんですけどね……。
もちろん、「常にスピーカーを使うわけではない」「イヤホンを使えば解決する」という意見もあるでしょう。実際に先行レビューをしている方々も、言及はしつつもそこまで気にしていない様子です。
しかし、スピーカーで楽しみたいタイミングもありますよね? 家の中で常にイヤホンをしている人は少数派でしょうし、少なくとも私は、リラックスしたい自室で耳を塞ぐのは鬱陶しいと感じます。そんな時くらい、音の偏りを気にせずコンテンツを楽しみたいじゃないですか。
あらゆる状況において、視覚でも聴覚でも妥協せずにコンテンツを楽しめるデバイスこそが、「コンテンツ視聴に最適」と評せると私は考えます。少なくとも、これから何度となく訪れるであろう「スピーカーでコンテンツを楽しむシチュエーション」において、一切妥協したくありません。
こうした考えから、スピーカーの偏りがFold8を見送る最大の理由となりました。
最終的な悩みどころと決断
一方、Ultraの許容できない部分(閉じた時の横幅、薄さ)については、今後のトレンドとしてこの流れは変わらないだろうと諦めがつきました。パンチホールについても、後述するある「裏技」を考え出したことで、ソフトウェア的にある程度解決できると判断し、許容することにしました。
最終的に私の脳内で、
「動画視聴体験を最悪にする左偏りスピーカー (Fold8)」
VS
「醜い正方形メインディスプレイ (Fold8 Ultra)」
のバトルが勃発しました。
結果として、「正方形ディスプレイは毎日向き合っていればいつか慣れるかもしれないが、不自然なスピーカー音響は不定期に使うからこそいつまでも慣れなさそう」という結論に至り、『Galaxy Z Fold8 Ultra』を選ぶことに決めました。
Galaxy Z Fold8 に触れてみて(実機所感)
Galaxy Harajukuでの実機テストの所感をもう少し詳しくまとめます。まずはFold8から。
私は成人男性としては平均か少し手が小さいくらいですが、片手での収まりはこんな感じです。横幅はありますが、片手での「保持」は全く苦になりません。重量が201gと軽いことも効いていますね。
そして何より、この縦横の差が良いですね! タブレットらしい見た目で、ディスプレイの没入感が非常に高いです。違和感も少ない。これが折りたたんで持ち運べるのだから、形状としては個人的に理想的です。
私は以前から、このサイズのタブレットを「短辺で折るか、長辺で折るか」の2択だと考えています。前者がFold8、後者がFold6までのモデルです。だからこそ、これまでのFoldシリーズの形状が最適解だったと思うのですが……。
普段スマホとしてコンパクトに使いたいなら、最初からバータイプのスマホを持てば良いと思うんですけどね。残念ながら、世間のトレンドはFold7やFold8 Ultraの形状が答えのようです。
Fold8のようなパスポートタイプは、構造上どうしてもスピーカーの偏りが発生してしまうため、私は許容できませんでした。(クアッドスピーカーなどを搭載してくれれば話は別ですが)
ブラウジング時の縦の短さについては、本体を縦長に持ち替えて見れば解決します。閉じた状態でも、縦が短い分スクロール回数を増やせば済むので悪くはありませんが、快適にブラウジングするなら開いて縦長持ちするのがベストだと感じました。
パンチホールも右利きの人なら手で隠れる位置にくるので、そこまで気にならないでしょう。それにしても、開いた時の「折り目」が本当にわからなくなりましたね! 慣れれば気にならない部分とはいえ、このアップデートは素直に嬉しいポイントです。
私は片手操作派なので、片手での操作しやすさは非常に重要です。Galaxyスマホには片手モードがあり、標準キーボードやGboardでも片側寄せができるため、工夫次第で問題なく使えます。しかし、片手モードに移行するためのアクションが1つ増えますし、限られたサブディスプレイの領域に無駄な余白ができ、表示サイズが小さくなるのは個人的にはナンセンスに感じました。
Fold8を使う片手操作派は片手モードを多用することになると思いますが、そもそも片手モードってそこまで頻繁にオンオフを切り替えて使うものでもない気がしています。
Galaxy Z Fold8 Ultra に触れてみて(実機所感と裏技)
次はGalaxy Z Fold8 Ultraです。
いやぁ……やはり醜い正方形ですね(笑)。意味がわかりません。トレンドに迎合した末路がこれです。まぁ客商売ですし、大多数のユーザーに向けたプロダクトが作られるのは仕方がないことなので、ただ文句を言っているだけです。
ただし、Z Fold6から乗り換える身としては、開いた時の画面サイズが物理的に大きくなっている点は純粋に良いと感じました。
このタイプの形状はZ Fold6まで使っていたので、操作感についてそこまで深く言及することはありません。ここでは、私がUltraを許容するに至った「邪魔なパンチホールをコンテンツに被せないための裏技」を試してきたので紹介します。
一応、Galaxy Z Fold7以降には「パンチホールを隠す機能」が標準で実装されています。しかし、Z Fold7が出た時に試したところ、パンチホールと同じ高さに黒い帯を挿入して画面を下げるだけなので、コンテンツ自体が下にズレて見切れてしまう仕様でした。また、横持ちにしてスピーカーを左右配置で動画を見ようとした際、本体の向きによってはこの隠す機能がうまく機能しないことにも気づき、当時は諦めていました。
そこで今回、直近で思いついたのがこの方法です。
Galaxy Z Foldシリーズには、2つのアプリを同時に表示する「画面分割機能」があります。これを利用して、片方の画面に「真っ黒な画像」を表示させるのです。
パンチホールを無効化する手順
1. 真っ黒な画像(#000000)をスマホ内に用意する。
2. プリインストールされているSamsung製ギャラリーアプリで、その黒画像を表示する。
3. 利用したい動画アプリ(YouTubeなど)を開き、上下配置になるように画面を分割する。
4. 黒画像がパンチホール側に来るように調整し、本体を横に倒して持つ。スピーカーが左右配置になる状態で動画コンテンツを楽しむ。
上記の画像は、スピーカーを手で塞がないように持ったところです。いかがでしょうか?
この方法なら、動画の上下に太い黒帯が入らないため、個人的にはかなり没入感が高まると感じています。パンチホールが黒画像に紛れて目立たなくなり、動画の表示サイズも変えずに視聴することができます。
……まぁ、わざわざこんなことをしないとパンチホールを隠せないこと自体がナンセンスでバカバカしいのですが。それでも、トータルで見たら左偏りスピーカーよりはマシだと思えたので、私はUltraを選びました。
Fold8・Fold8 Ultra 共通して良かった点
文句ばかり言ってしまいましたが、両モデルに共通して推せる素晴らしいポイントもサクッとまとめておきます。
1. メインディスプレイがより綺麗に:画素密度の向上により、画面の精細さが増しました。
2. 折り目がさらに目立たなくなった:従来モデルよりも明らかに折り目がフラットに。(※ただし、1週間くらい使うと徐々に目立ってくるという最近の噂もありますが…)
3. 開きやすさの向上:ヒンジの改良により、スムーズに開閉できるようになりました。
4. 本体の軽さ:このサイズ感でこの軽さは、やはり大きな武器です。
次期モデルへの期待
ここまで読んでいただければお分かりの通り、私は明らかに「他の折りたたみスマホユーザーとは違う視点と期待」を持っています。
多くの人は「普段は普通のスマホとして快適に使い、時々大きな画面を使いたい」のでしょう。しかし私の場合は、「普段はタブレットとして使い、それを折りたたんでどこにでも持ち運べるようにしたい」のです。
この根本的なスタンスの違いがあるからこそ、Fold8シリーズにどうしても許せない部分がいくつも出てきてしまうのだと思います。
私の求める条件をスペックシートの文字だけで見れば、Fold8はまさしく理想形でした。しかし、スピーカーの仕様が酷く、コンテンツ体験で一切妥協したくない私には向かない端末でした。そのため、今後1年間の相棒としてはUltraを選んだ次第です。
次期モデルには、以下のことを期待します。
1. 開いたら「タブレットらしい縦横差」のあるディスプレイ
2. 閉じたら「普通のスマホより少し幅が狭い」持ちやすい形状
3. UDC(画面下埋め込みカメラ)の復活
4. 偏りのない、左右バランスの取れたスピーカー配置
まぁ、多くの一般ユーザーが求めている要素とは逆行している部分もあるので、全部実現するのは無理でしょうね。現実的に期待できるのはUDCの復活くらいでしょうか。過度な期待はせずに、気長に待ちたいと思います。
以上、ご覧くださいましてありがとうございました。








